雑記

感じていること、思ったこと。

大人になんてなりたくない

スタンド・バイ・ミーを観た。

12歳の少年四人の二日間の冒険を描いた、不朽の青春映画だ。

ヘルマン・ヘッセの「少年の日の思い出」のように、大人になった主人公が、過去を回想する形をとっている。

見終わった後、ものすごく切ない気持ちになった。

 

ゴーディはその後三人と自然と離れてしまったんだけど、この時の思い出は何物にも代えがたく、胸の中にずっと残っていた。

それが私には、もう戻ってはこない過去に縋っているようで悲しく感じた。みんなそれぞれの人生を歩んでいるのに、思い出は変わらないから…。

少年期のあの複雑な心情を見事に表現していて、素晴らしいけどしんどい映画だった。

 

最近の百合漫画5選

最近読んだなかで、面白いと感じた百合漫画の紹介。

 

好きを知らない少女が出会う、一筋縄ではいかない――女の子同士の恋愛
恋する気持ちがわからず悩みを抱える侑は、先輩・燈子が告白を受ける場面に出会う。誰からの告白にも心を動かされないという燈子に共感を覚える侑だが、やがて燈子から思わぬ言葉を告げられる。「君のことが好き」

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既刊5巻。

燈子は自分を好きにならない侑が好きなので、二人の距離はなかなか縮まらないが、段々関係性が変わってきているのが感じられる。

また、主人公たちを取り巻く周囲の人々も色々な悩みや葛藤を抱えており、二人に影響を及ぼしていく。

心理描写が丁寧で、絵が綺麗。登場人物たちも魅力的だ。

個人的に今一番きている作品。

 

品行方正、成績優秀の秀才少女・白峰あやかは、中等部から高等部に進学。
『今までと同じ自分』であり続ける……はずだった!?
天才少女・黒沢ゆりねとの出会いから、彼女の世界は一変する…?!
白峰と黒沢の物語から、全てが動きだす。
従姉妹と先輩、同級生と後輩、そして教師まで…。
少女たちの数だけ、物語は存在する――…。

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 既刊8巻。

女子高で繰り広げられる、オムニバス形式の百合漫画。

メインは一巻表紙のライバルコンビだが、先輩後輩、幼馴染、三角関係、選手とマネージャーなど、巻ごとに様々な関係性の百合カップルが見られる。

明るい内容で、絵柄が可愛い。女子高ならではのシチュやキスシーンもあるので、百合の雰囲気をとことん楽しめるのが良い。

 

たとえとどかぬ糸だとしても1 (百合姫コミックス)

たとえとどかぬ糸だとしても1 (百合姫コミックス)

 

ごくごく平凡な高校生、 
鳴瀬ウタには、人には言えない秘密があった。 
それは、実の兄のお嫁さんである薫瑠に恋をしていること。 
決して実らない恋だけど、日々の営みが嬉しくて、 
その一方で兄との新婚生活を見ていると胸が張り裂けそうで… 
彼女は心を押し殺す。 
そっと心に秘めた恋心が、目を覚まさないように――。

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既刊2巻。

兄のお嫁さんに片思いをしている女子高生が主人公。

絶対に叶わないと自覚して恋心を秘めているウタが、薫瑠さんに優しくされると嬉しさと同時に悲しさに襲われているのが切ない。

ウタは二人と同居しているが、薫瑠さんは兄と仲が良く、幸せな新婚生活を送っている。

これからどういう展開になっていくのかがとても気になる。

 

私は君を泣かせたい 1 (ヤングアニマルコミックス)
 

君の涙が、私の心を融かしていく─。他人に弱みを見せない優等生と、自分を隠さない不良少女。決して出会うことの ない2人を「涙」が繋ぐ。「2017年、次にくる百合漫画!」と大評判の、優しいガールズストーリー。

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既刊2巻。

映画を観て涙を流している不良生徒を優等生が見て、興味を持つ。

二人は映画研究部という部活を通して、徐々に距離を縮めるが、羊には見えない壁があった。

二人とも不器用でもどかしくもあるんだけど、だからこそ歩み寄っていく様子に心が温まる。

表紙は百合成分が多いが、内容は百合成分少なめ。でも、これから進展していきそう?

 

マジメ系不器用先輩と強がり系不器用後輩のガールズシップ・ストーリー

都会の高校から、海辺の田舎町にある七浜高校へ転校してきた小夏は、周囲にうまくなじめずにいた。そんなとき、七浜高校水族館部のひとり部員である小雪と出会う。お互いが抱える寂しさに惹かれ合ったふたりは――?

 既刊1巻。

物語は田舎の高校に転校してきた主人公が、水族館部という珍しい部活に入部するところから始まる。

二人の微妙な心情の描き方が見事で、可愛らしく、すごく和んだ。

小雪先輩が小夏を好きだということに少しずつ気づいていき、ラストシーンに繋がるわけだが…続きが気になる!

 

…というわけで、最近のおすすめ百合漫画を5つを挙げたが、伊藤ハチ作品は全作品好みすぎて選べないので、挙げていない。「ご主人様と獣耳の少女メル」完結おめでとうございます。

いずれそっちも記事にできるといいな…。

石川啄木の顔

石川啄木の歌集を読んでいたらふと、金田一京助が「新編 石川啄木」の『生い立ちの記』において、石川君のことをかわいいと形容していたことを思い出した。

 

新編 石川啄木 (講談社文芸文庫)

新編 石川啄木 (講談社文芸文庫)

 

 

国語便覧を開いて写真を見てみると、確かに幼くて可愛らしい感じがする。

金田一さんは、石川君に初めて会ったときに、”でんぴこ”と言っておでこをつついたらしい。盛り上がっていて広いそのおでこを、私も触ってみたい気がした。

 

そして、こんな記事を見つけた。

ほぼ日刊イトイ新聞 - 石川くん。

世間的にも石川啄木は可愛いという認識なんだと知り、驚いた。

余談だが、私のクラスでも国語便覧に載っている作家の写真を見て、誰の顔が好き?という話題は出たことがある。人気なのは萩原朔太郎だった。 

お金を色んな人から借りたり、たくさんの女性と関係を持ったりできたのも、この顔だからなせる業なのかもしれない。

金田一さんが石川君を援助してた理由に可愛いから、というのも少しあったんじゃないかな(笑)

 

「一握の砂」より

わが髭の

下向く癖がいきどほろし

このごろ憎き男に似たれば

この記事で紹介されている短歌。

金田一京助の「新編 石川啄木」をまた思い出した。

金田一さんは髭が生えてこないのを悩んでいて、鼻の下に毛生え薬のようなものをつけていた。それを石川君がからかって、温厚な金田一さんが珍しく怒った、というエピソードだ。

個人的には、石川君よりも金田一さんの方が髭が似合うと思う…。

 

www.kindaichi.net

高村光太郎詩集

岩波文庫の「高村光太郎詩集」を読んだ。

 

高村光太郎詩集 (岩波文庫)

高村光太郎詩集 (岩波文庫)

 

私は詩集というものを普段あまり読まない。

というのも、詩の意味を汲み取るのが苦手だからだ。

以前に萩原朔太郎三好達治宮沢賢治といった詩人の作品を読んだが、あまり心に残らなかった。…萩原朔太郎「旅上」「竹」三好達治「鳥語」、宮沢賢治「無声慟哭」「序(春と修羅)」など好きなものはいくつかあるが。

 

しかし、高村光太郎は違った。彼の詩は分かりやすく、まっすぐに伝わってくる。

智恵子抄」を読んだ時の感動は忘れられない。

 

今回読んだ、「智恵子抄」以外の詩も収められているこの詩集もとても良かった。

 

道程

僕の前に道はない

僕の後ろに道は出来る

ああ、自然よ

父よ

僕を一人立ちにさせた広大な父よ

僕から目を離さないで守る事をせよ

常に父の気魄を僕に充たせよ

この遠い道程のため

この遠い道程のため

*1

日本人の多くが知っているであろう、彼の代表作ももちろん収められている。

彼の生への力強さを感じさせる。

 

寂寥 ※一部抜粋

何処にか走らざるべからず 

走るべき処なし

何事か為さざるべからず

為すべき事なし

坐するに堪へず

脅迫は大地に満てり

 

ああ、走るべき道を教へよ

為すべき事を知らしめよ

氷河の底は火の如くに痛し

痛し、痛し

*2

 

とげとげなエピグラム ※一部抜粋

どうかきめないでくれ、

明るいばかりぢやない、

奇麗なばかりぢやない、

暗いもの、きたないもの、

あきれたもの、残忍なもの、

さういふ猛獣に満ちてゐる

おれは砂漠だ。

だから奇麗な世界に焦がれるのだ。

*3

 

美しいもの、善良なるものへの賛美、人生の意味の追求・欲求、高村光太郎の色々なものが込められているこの詩集を、ぜひ読んでほしい。…上に挙げたもの以外にも、「火星が出てゐる」や、光太郎らしき人物の描写がある「刃物を研ぐ人」なども良い。「道程」に次いで知名度が高いと思われる、「ぼろぼろな駝鳥」もある。

 

*1:「道程」より

*2:「道程」より

*3:「道程」以後